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OPERATION
G.G.
「クメールの赤い土」
【SP COMICS】
著者 さいとう・たかを (脚本:鷹匠政彦)
2003年7月発行、リイド社
ISBN4-8458-2345-4
⇒さいとう・プロ公式サイト
世界各地で続発するテロ、内戦、誘拐などに対し、極秘の任務を帯びて見事な働きをする、高度な専門的訓練を受けた人質救出のエキスパート集団”OPERATION G.G.”。 1999年からリイド・コミック誌に掲載が始まった新シリーズで、このSPコミックスに収録されている3作品は、いずれも1999年発表の最初の作品。”OPERATION
G.G.”は、一応はNGO(海外邦人危機管理研究所)の職員ということになっているが、彼らの行動はあくまでシークレットで、”影の組織”となっている。 OPERATION
G.G実行メンバーは、リーダーの五条厳(ごじょう・げん)を含む日本人(らしい)男女5名だ(ただ一人の女性メンバーは麻生繁美)。
本作品「クメールの赤い土」では、五条厳をリーダーとするOPERATION
G.G実行メンバーが、カンボジア特別任務を受け、1999年9月にカンボジア入りしているが、主たる舞台は、カンボジア北部の山岳地帯、タイ国境に近いアンロンベンから更にタイ国境よりの地域だ。かつて”クメール・ルージュ”の支配地域だったアンロンベンの一帯だが、1998年4月、アンロンベン近くの村でポル・ポトが病死し事実上ポル・ポト派が壊滅した後も、国境地帯を支配しているポル・ポト派の残党たちから、スパイ容疑で監禁され処刑の時を待っている”カナコ”という日本語を話せる女性兵士を救出し日本に連れ戻すというのが特別任務であった。
OPERATION
G.Gのカンボジア特別任務は、ガンで余命2ヶ月の岡崎八千代の元に、かつて日本語を教えたカンボジア人の僧侶、プーウオンから、ポルポト時代の混乱期に生き別れとなった八千代の娘・加奈子の生存を裏づける事実が記されていたエアメールが届いたことがきっかけで、NGO(海外邦人危機管理研究所)大河内所長により起案される。
この岡崎八千代という女性は、1972年(昭和47年)、東京の大学病院で看護婦をしていた時、カンボジア人の医学生と恋に落ち、周囲の人たちから祝福され結婚。カンボジアに帰国し首都プノンペンの国立病院に勤務するカンボジア人の夫ター・パイ・スーンとの間に女の子が産まれ、日本名を加奈子と名付けた。しかし民主統一戦線の実権を握るクメール・ルージュ(ポル・ポト派)の恐怖政治の下、夫は処刑され、幼子の加奈子もクメール・ルージュがベトナム軍により追い払われる時にクメール・ルージュの兵士たちに連れ去れてしまう。”ポル・ポト時代”が終わり、1979年に岡崎八千代は日本に帰国することができたが、加奈子の消息に関する手掛かりが得られないまま20年が過ぎていた。
OPERATION
G.Gによるクメール・ルージュの残党たちからの岡崎加奈子の救出作戦がどう展開されるのかが見ものであるが、カンボジアを描くシーンも種々登場する。ポルポト時代の地獄のような数々の場面やタイ国境地帯のポルポト派残党以外にも、地雷、チーク伐採とタイへの密輸、ルビー採掘、強盗などの事が書かれている。 OPERATION
G.Gの現地での案内役を務めることになるのが、タイ国境地帯で育ち現地の地理に詳しいクイ族出身の子どもポーキーだ。ポーキーの父親は地雷で右脚を失い義足を買う金ほしさに、クメール・ルージュに殺された金持ちの華僑たちの遺骨を掘り出し親子で金歯を削りとる場面もある。
尚、本作品の最後で、岡崎加奈子が、大河内所長に”オペレーションG.G.”とはどういう意味なのか尋ねる場面がある。それに対し、大河内所長は、リーダーの五条厳の頭文字からとったものだが、この”G.G.”を”Gun”と”Genocide”(大量殺戮)の頭文字、とも思っていて、「現在、世界中にある何百万丁もの銃器、それがもたらす、大量殺戮から罪のない人々を救う・・・それが、我々・・・NGO(海外邦人危機管理研究所)の役目なんですからね」と答えている。気になるリーダーの五条厳の経歴であるが、本書第3話「高度3000米射殺指令」で、かつてアメリカ陸軍の対テロ特殊部隊の一員として、湾岸戦争ではイラク領内に潜入し、スカッドミサイルの、移動発射装置を破壊した歴戦のプロであることが明かされている。
SP COMICS 『OPERATION G.G.・高度3000米射殺指令』 目次
■MISSION.
1 「スールー海の虹」
1999年
■MISSION.
2 「クメールの赤い土」
1999年
■MISSION.
3
「高度3000米射殺指令」 1999年
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