メコン圏の写真集・旅紀行・エッセイ 第13回

  著者謝辞

 

謝辞

  (本書巻末に掲載)

 

 あまり知られていない事と思いますが、ラオス東北地方シェン・クアンの大地は、いまも空爆の大穴が月のクレーターのように無数に開き、地雷と不発弾が爆発の時を待っています。

 

 数々の侵略と犠牲の歴史のなか、仏の里の人々は、すべてを包み込み静かに暮らしています。

 

 ここで見ていただきました写真は、豊かなラオス文化のほんの一部にしか過ぎません。

 

 しかし、ラオスのもつおだやかな空気感と、仏を信じ精霊とともに生きる深い精神世界を少しでも感じ取って頂けましたら幸せです。

 

  <以下省略>

 

 

主な撮影場所

(本書掲載写真について)

 

ワット・シェントン

  (ルアン・プラバン)

カーン川とメコン河とが合流するところにあり、440年ほど前セッタティラット王によって建立された。

 

<ビエンチャン>

・タット・ルアン

・ワット・チャン

・ホー・プラケオ

・ワット・シー・サケット

・ワット・シー・ムアン

・ワット・イン・ペン

 

<ルアン・プラバン>

・ワット・シェントン

・ワット・ビスナラット

・ワット・マイ

・ワット・セーン

・ワット・ブン・ファン

・タムティン洞窟寺院

・ワット・タット・ノイ

・ワット・マク・モ

・ワット・アハム

・旧王宮

 

<ムアン・クン>

・ワット・シープン

・ワット・ピア・ワット

 

<ムアン・シン>

・ワット・ルアン

 

<チャンパサック>

・カンボジア国境の

 メコンドン・コン島

・ワット・プー

  

  『仏の里・ラオス』 

           ー 太田亨・写真集

       

      太田 亨 文・写真、 東方出版社

      1999年5月発行、 ISBN4-88591-603-8

     

      ≪著者紹介≫

 

   1961年山梨県甲府市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、芸術研究所を

   経て、並河萬里氏に師事。以後フリーランス

   おもな著作等 写真集『天空の王国』ーチベット仏教の世界 ザンスカール・ラダック、

   『ツンドラ街道を、どこまでも』(以上共著)『北極圏』5、写真集『北極圏グラフィティ』、

   ヒロシマの『生命の木』大江健三郎 著(以上 日本放送出版協会 刊)などで

   特派カメラマンとして活躍のほか、アジアを中心にその地に生きる人々を撮影、

   季刊『民族学』(国立民族学博物館 監修)や季刊『銀花』(文化出版局刊)などに

   掲載している。

   

                      (本書紹介文より)ー本書発刊当時ー

 

  本書は、ラオスのもつおだやかさと包み込むようなやさしさに魅了されラオスの写真展も開いてきたプロ写真家・太田亨氏による写真集。150ページ以上のほとんど全ページ、見開き大の写真も数多く掲載されているオールカラーの贅沢なつくりの写真集で、吸い込まれるような不思議な気がし思わず時を忘れじっくり見入ってしまう写真の連続で、改めて写真の世界の力を感じざるを得ない。太田亨氏は、ラオスを中心としたフォトギャラリーのサイト「写真アジア」も運営されていて、このサイトでもラオスを撮ったすてきな写真を鑑賞できる。

 

 「仏の里・ラオス」とタイトルがつけられているだけあって、仏前で読経などの勤めをする僧、朝もやが淡く漂うなか托鉢を行う僧、僧坊で朝の朝食を摂る僧、作務から解放されて町に外出する僧などと、いろんな僧侶の姿が映し出され、また仏を信じ祈りをささげる人々の姿が取り上げられている。また、ルアンプラバンのワット・タット・ノイや、ワット・シェントンなどの寺院の扉や壁に残る見事な黄金のレリーフの写真も、細部までくっきりときれいに撮られている。

 

 「それぞれの仏たち」と題した章では、ルアンプラバンのワット・シェントン、ビエンチャンのタット・ルアン、ワット・シーサケットなどの仏像そのものの超アップ写真が登場する。味わい深い仏像の顔の表情には、仏像大好きの人には、きっとたまらないはずだ。なかでもビエンチャンにあるホー・プラケオの降魔の仏の顔の超アップ写真2枚は、筆舌に尽くしがたく不気味なまでに迫力がありすぎる。

 

 また、普段なかなかお目にかかれない特別の機会にしか撮れない写真も少なくない。1年にわずか3日間だけ、人々の前に現れる黄金のプラバン仏や、ルアン・プラバンのビエンチャンでの盛大なタット・ルアン大祭り(ブン・タット・ルアン)などである。また、ラオス創世の夫婦、プー・ニューとニュー、そして獅子の精シンカップ・シンコーンという3つの精霊たちが、現世へと蘇る儀式や、衆生の前に姿を現した精霊たちの奉納の舞の様子も、なかなか貴重だ。

 

 写真の撮影地としては、「聖なる仏の町」という意味を持ち黄金の仏像が安置されているルアンプラバンの町が中心であるが、他にも首都ビエンチャンに加え、ラオス最北部地域のムアン・シンのワット・ルアン、シェンクアン地域のムアン・クンのワット・シープン、ワット・ビア・ワット、ラオス最南部のコン島や、チャンパサックのワット・プーでの写真もおさめられている。

  

 ルアン・プラバンでの新年(ピー・マイ・ラオ)時の特徴的な写真も少なくない。八支の旗(トー・プン)を立てた砂仏塔(ドンサイ・モンコン)や、僧侶の行列に聖水をかける様が、紹介されている。家族や友達、恋人と、砂で作った砂仏塔は、須弥山を表し、その年の悪業や悪運を封じ込めるともいわれている。12支ではなく、8支の絵が縦長に描かれた旗が、砂仏塔に立てられるが、これに先祖の霊が降り、悪いものを持って天へ戻るともいわれている。

 


               本書の目次

 

   早暁のルアン・プラバン

    

  仏と暮らす

     

  タット・ルアン大祭(ブン・タット・ルアン) ービエンチャン

    

  それぞれの仏たち

     

  やわらかな輝き

 

  新年(ピー・マイ・ラオ)   −ルアン・プラバン

    

  精霊と仏とが融合する新年  ールアン・プラバン

     

  聖水に込めた祈り  ールアン・プラバン

    

  黄金のプラバン仏  ールアン・プラバン