■讀賣新聞・夕刊 1989年(平成元年)9月21日 木曜 1面■
ベトナム軍撤退開始 カンボジア
【プノンペン21日=三好特派員】79年1月以来、10年余にわたりカンボジア駐留を続けた
ベトナム軍の最終撤兵が21日朝から開始された。朝7時、シエムレアプ市にベトナム軍479
戦車砲兵隊が750両のトラックとともに集結、バタンバン市に向かい出発するなど早朝からカ
ンボジア国内の各駐屯地から将兵がトラック、装甲輸送車に分乗、プノンペンを始めとする集
結地に向け、移動を開始した。
ベトナム軍は各集結地で部隊を再編成し、歓送式典を終えた後、順次ラタナキリなどベトナム
国境の州や国道1号線、コンポンソム港、プノンペン・ポチュトン空港など陸海空の撤退路を
経由してベトナムへ帰国する。25日にプノンペン市王宮前で最後の歓送式典が行われ、26日
までに撤兵を完了する。
ベトナム軍は、79年の侵攻当初、20万人。その後82年7月以来7次にわたり、撤兵を行って
きた。最終撤兵の兵員数は2万6千人(ベトナム政府発表)。
ベトナムにとっては、10年間の国際的孤立から解放され、またヘン・サムリン政権の承認にも
道を開く可能性もある。
【ハノイ21日=共同】ベトナム外務省は21日「ベトナム軍はカンボジアの独立と主権を尊重
するため21日、カンボジアからの最後の撤退を開始した」との声明を発表した。

■讀賣新聞 1989年(平成元年)9月26日 火曜 国際(5)■
ベトナム軍 きょう撤退終了 首都は歓送式典に沸く
【プノンペン25日=丸山、長谷川特派員】
カンボジア各地から撤収のため拠点に集結していた最後の駐留ベトナム軍は、25日朝から陸、
空、海、河川各ルートを通って、ベトナムに向け一斉に移動を開始し、一部は国境を越えてベト
ナム領に帰着した。26日中に約2万6千人(ベトナム側発表)全員が撤退を終え、1978年12
月に始まったベトナム軍の駐留は、10年9か月ぶりに終止符を打つ。
首都プノンペンでは、同日朝7時(日本時間同9時)から旧王宮前広場で最後の歓送式典が開
かれ、プノンペン政府の最高指導者ヘン・サムリン人民革命党書記長ら要人、約10万の市民、
西部の要衝を守ってきた精鋭のベトナム軍戦車、砲兵部隊479、979軍代表のほか外国人
オブザーバー約100人も出席した。